リーダーとマネージャーとビジョン
Rebuild.fm の #123 の伊藤直也さんの回を聞いた。
ep.50 くらいのアフターショーのドラクエ職業の話がすごい好きで 10回 くらい(?)聞いた気がするけど、今回も注目の回だったのでしっかり準備してから聞いた。
Fate/Zero の聖杯問答の話
以前に予告していたので、予習として Fate/Zero(アニメ)を見ておいた。
アニメの感想はいいとして、見た後で思った個人的な解釈としては以下のようなものだ。
- アーサー王は自分が民衆を・・・(うまく行かなかった)ということを後悔している
- 聖杯をゲットしたら、やり直したい(的なことを言っていた気がする)
- 一国のリーダーとなる王が、施政について後悔して「やり直したい」というのはダメでは?
- 俺についてこい、俺を信じろ(たとえ自信なくても)というスタンスで振る舞うべき
- 仕事でも、リーダーとなった人がやってる(やった)ことに不安を感じている、という組織では 誰もついてこないんじゃないの?
という感じでした。
国民を導く、主導する立場の人間が、「あれは良くなかった」「もっとこうすれば良かった」ということを言うのは、国民の立場としてどうか?不安じゃないだろうか。
リーダーという立場も色々あって、「王」というくらいだといわゆる社長みたいな立場になってくると思うけど、悩む姿はいいとして、戦争しかけて他国を侵略した後で「やっぱり戦争はするべきではなかった」とか言ったらどうだろうか。殉死した人達や、そうした人達と一緒に居た人達はどう思うか?次に何か言った時に果たしてついてきてくれるんだろうか?
社長業はしたことが無いし、そこまで人を率いる仕事はしてないので、実際のところは分からない気もするけど、まあ少なくとも国家レベルになるとひたすら理想を提示して、それに付いて来てもらう、ということに尽きるのではないか。
タイトルにあるが、この場合は完全に「リーダー」という役割になると思う。
サーヴァント型リーダーという言葉
Rebuild.fm で伊藤直也さんが言っていたのが、「サーヴァント型」のリーダーが・・・・、ということでした。 聴いていてなるほど〜、となって言いたいことが非常によくわかった。
でも、「聖杯問答」の回を見た感想はちょっと違っていて、それは元々以下のような言葉の解釈があったからなのかな?と思う。
前にブログ書き始めた頃に書いたけど、リーダーとマネージャーという言葉を明確に別物と思っていて、その考え方からすると、「サーヴァント型リーダー」というのはそもそもおかしい感じがする。
リーダーという言葉は、言葉の意味だけで考えると「リードする人」な感じだと思うし、他社に奉仕する感じはリードしてない。おそらく、日本的な意味で「リーダー」という言葉がズレてるせいじゃないだろうか。
バイト1年やると「リーダー」に昇格して、新入りバイトを3人位面倒を見たりする。社会人2年目くらいにも登場してくる言葉な気がする。知ってる(スーパーブラック)企業だと、その後で「アシスタントマネージャー」とか「マネージャー」という肩書みたいなのになっていく。
実態と言葉が合ってるかどうか?ということはともかくとして、日本の割と伝統的な感じだと「リーダー」という言葉は数人をちょっと面倒見る立場、みたいな意味に捉えられやすいんじゃないだろうか?
(そして、これは言葉の定義の問題だけかもしれないけど、ちょっとおかしいと思う)
リーダーと言えば誰が思い浮かぶか?
アメリカに行くと、大統領は「リーダー」という感じがするし、日本でもカリスマ社長みたいな人達は「リーダー」と呼ばれることが多いように思う。つまり「トップ」だ。
そこまで目立たない感じの社長の場合にはそこまで「リーダー」というイメージは強くないように思う。
そういう人達の中には、カリスマ性のみでもやっていけそう、という人がいそうだし(他ができないということではなく、カリスマ性だけで実際に会社に来なくてもなんか社員が一致団結しそう、というイメージ)調整能力はあまり無くても大丈夫な気がする。
ひたすら先頭を行って「これを実現するぞ!」ということ(つまり ビジョン! )を提示し続けて、それが会社の文化になる、みたいなことができると「リーダー」として責務を全うしているのではないか?
もしくは、小さい規模のうちなら自分自身が一番いいものを作る、ということも必要な気がする。実際には雑務が多すぎて実務はできなくなってしまいそうな気がするけど、元々やりたいことへのエネルギーが一番多いのが社長だったりすると思うので、社長がやるのが一番良い、というケースが多いように思う。 (もちろん、例外はたくさんあって、社長以外がグイグイ引っ張ってるとかそういう会社は目立つけど、それはビジョンを提示することができているというケースなんだと思う)
(それが全てのケースで良い、ということでも無いと思うけど)社長がリーダーとして引っ張っていっていてうまく行っている組織では、多分優秀な調整役がいる。それが「マネージャー」にあたる人達だと思う。
マネージャーの役割とは?
社長=リーダー、というタイプの組織の場合は、それを補佐する人や組織として「マネージメント」をする人(達)がいると思う。創業者が何人かいたら、カリスマある感じの人と、内外の調整ができる人が居たりして、そういう人がカリスマの人のフォローをしたりする、とかでうまく回ったりしそうなイメージがある。(安直だけど・・・)
この場合は、リーダーとマネージャーが分かれそうに思う。これは、決して大きな会社で分業しやすいから、とかの組織の性質にかかわらず、5〜6人程度のチームでも同様の話になるように思っている。
では、マネージャーとは何をすると良いのだろうか?
(アメリカは・・・とか知らないので知ってる範囲だとという程度の意味で)日本ではマネージャーというのが「責任者」的な意味に使われているように思う。まあ、「管理者」とするとそこまでズレていない気もする。
管理する仕事とリーダーの役割、は一致するだろうか。
No だと思う。
マネージャーが言葉の定義で「管理者」だとすると、調整をするのが仕事でビジョンを提示したり先頭に立って実務を進める人、というのとはそもそも両立が難しいように思う。行き先を提示して場合によってはそれを引っ張っていく、という立場と、現場を見て調整したりフォローする、というのは立ち位置として 前/後 で全然違うんじゃないだろうか。
たまに、両方できる人が居て両方をやってしまうので、能力の問題、として扱われてしまう感じがするが、独立したものとして扱うべきだと思っている。
リーダーとマネージャーとビジョン
最終的には誰が何やってもいいけど、一人で色々と抱え込む感じになるのはしわ寄せが厳しい。
リーダーには方向性を指し示す、組織としてのビジョンを提示して全員が同じ方向に向かう、近い価値観で過ごせるようにする、ということをして欲しいと思う。チームによっては、実務をバリバリやる人だけど、その人がムードメーカーになって牽引する、みたいなのも「リーダー」ということになると思う。
マネージャー(というものを分けたとして)には、組織内の調整、バランスを取ったり内外向けの事務処理みたいなのをしたりとかして欲しい。リーダーシップは必要だし、ビジョンを提示するのもいいけど、そこはリーダーが示すビジョン/方向性と矛盾がない(視点が違えばいいけど)というのは必要に思う。
少し裏方の感じが出てくるように思う。
現在、システム開発する仕事をしていると、どうしもPMみたいな人が「コード書かない人」みたいな実務(エンジニアリング)が強くない人だったりするので、そういう人が「ビジョンを提示する」ことができるか?というと微妙な感じがする。
うまく役割を分離することができるといいのにな、と思っているところ。。。
(直後に追記)
書き忘れたけど、宮川さんが「リーダーとマネージャーは違うので・・・」という発言をされていて、そうだそうだ、と思った。けど、それは前提として、なのかそれほど掘り下げる感じでは無かったのかあまり言及されなかった。個人的にはそこのポイントに割と色々なものが詰まっていそうな気がする。
話がまとまっているか分からないけど、基本的な考え方を勢いでアウトプットしてみた。
言葉遊び、という感じもしなくはないけど、ある程度は捉え方の問題で以下のような主張と思っている。
リーダーとマネージャーは、そもそも別のもので別の人がやれば良くてそれは高校の部活なら「キャプテン」と「マネージャー(競技しない感じの人)」みたいな役割分担が適当なんじゃないかと思っている。
マネージャー/リーダーが似たようなものとして扱われているように思っていて、それは別種の観点での役割の見方、みたいに思わているように思うけど、それは両立が難しいので無理がある。ある一定の経験を積むと、一気にその両方の役割を与えられてしまってツライことになるけど、別の役割として別の人がやれば無理がないんじゃないのか?という仕事観です。
今のところ、口だけに近い状態なのでこういう仕事観で仕事していくための環境を探さないと・・・。
京都で仕事開拓しないと。